診療情報管理士の認定試験の歴代の受験者数や合格者数と合格率
『医療事務の仕事をしていて職場でキャリアアップの為に診療情報管理士の資格を取る
ことを勧められたのですが、どのくらいの難易度の試験なのでしょうか?私に取れるか
どうか?不安で迷っています』と読者の方達から質問を頂きました。難易度という言葉
の定義は個人の主観レベルの考え方や感じ方に委ねられていて説明が難しいです。説明
しようとしても論点を絞りづらいので、目指すかどうかで悩んでいる方達の為に歴代の
認定試験の受験者数と合格者数に合格率を記録して残しておくので参考にして下さい。
診療情報管理士の認定試験の歴史
実施回と年次 | 受験者数 | 合格者数 (保留合格者を含む) |
不合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
第1回(2008年) | 3108人 | 1655人 | 1453人 | 53.2% |
第2回(2009年) | 3649人 | 1875人 | 1774人 | 51.3% |
第3回(2010年) | 4038人 | 1990人 | 2048人 | 49.3% |
第4回(2011年) | 3613人 | 1866人 | 1747人 | 51.6% |
第5回(2012年) | 3658人 | 1866人 | 1792人 | 51.0% |
第6回(2013年) | 3586人 | 1567人 | 2019人 | 43.7% |
第7回(2014年) | 3667人 | 1752人 | 1915人 | 47.8% |
第8回(2015年) | 3777人 | 1881人 | 1896人 | 49.8% |
第9回(2016年) | 3992名 | 2118人 | 1874人 | 53.1% |
第10回(2017年) | 3775人 | 1678人 | 2097人 | 44.5% |
第11回(2018年) | 3868人 | 2564人 | 1304人 | 66.3% |
第12回(2019年) | 3044人 | 1594人 | 1450人 | 52.4% |
第13回(2020年) | 3169人 | 1961人 | 1208人 | 61.9% |
第14回(2021年) | 2800人 | 1748人 | 1052人 | 62.4% |
第15回(2022年) | 2625人 | 1750人 | 875人 | 66.7% |
第16回(2023年) | 2457人 | 1622人 | 835人 | 66.0% |
第17回(2024年) | 2310人 | 1682人 | 628人 | 72.8% |
第18回(2025年) | 2027人 | 1275人 通教生の一般生合格者482人 通教生の編入生合格者140人 指定校生の正規合格者456人 指定校生の保留合格者197人 |
752人 | 62.9% |
合計 | 59163人 | 32444人 | 26719人 | 54.8% |
因みに診療録管理士の資格が創設された1972年度から2007年度までは全国共通で一斉
に認定試験を実施する形ではなくて、日本病院会(旧日本病院協会)様が独自の裁量で
診療録管理士養成通信講座を経て資格を認定してました。5団体での認定を始めたのは
2003年からで、診療録管理士から診療情報管理士へ改称されたのは1996年4月でした。
国家資格化する為に厚生労働省へ陳情を続けてきましたが、民間資格を国家資格にする
には法律を新たに成立させなければならず、政治家を動かす必要があり、難航中です。
診療情報管理士は民間資格ですが、実は50年以上の歴史があったと調べてみて分かり、
驚愕しました。医療事務の資格のように似たような内容のものが乱立はしていず、所謂
競合するライバルの資格が存在しないので、受験者数が減りつつも存続はしていけると
考えられます。厚労省より政治家を味方にすることが先決ですが、未来は不透明です。
参考までに日本病院会様によると診療情報管理士の認定者は2024年現在で47257人を
超えているとされています。保留合格者を含むのでざっくりとした計算になりますが、
47257-(32444-1275)=16088 で、認定試験が施行される前に診療録管理士を含めて
認定された方達は36年間で16000人程度です。国家資格化できれば激増するでしょう。
因みに日本病院会様による指定校は19大学と39専門学校があります(2025年4月現在)
指定校の個数は現在までに流動的に変化してきています。指定校を運営している母体は
要は民間企業なので診療情報管理士の認定試験の合格率を宣伝に利用して売り物にして
どこも生き残りを図ろうとしています。認定試験に合格する為の専用のカリキュラムを
独自に組んでいる為に指定校生の合格率は70~90%です。一方で、通教生の合格率は
40%前後です。この数値の違いが何を意味するのか?どうしてこのような大きな差異が
生じていて、且つ数十年単位の期間で是正されてこなかったのか?はこちらの記事での
話題ではないので、これ以上は触れません。認定試験にまつわる闇を感じる部分です。
日本病院会様はこのような実態を記録するデータを抱えていらっしゃいながら、何故、
通教生を救済しようとしてこなかったのか?読者の皆さんも答えを考えてみて下さい。
