診療情報管理士の認定試験の受験勉強での5つの致命的な失敗
診療情報管理士の認定試験の受験勉強をしていて当サイトの編集部の担当者がヤラカシ
てしまった5つの失敗をケーススタディの材料として読者の皆様に公開しておきます。
第18回認定試験の時点では受験勉強の方法論がまだ巷で確立されていませんでしたので
仕方ない面があり、試行錯誤の過程でのミスですが、反面教師にして活用して下さい。
目次
診療情報管理士の認定試験の受験勉強での致命的な失敗
これから紹介する5つの失敗は認定試験に合格した後に合格体験記的に受験勉強の過程
を振り返ってみた際に『ちょっとまずかったな』や『これは無駄だったな』等と感じた
作業です。それらの反省を踏まえて無駄を最大限省いて合理的に最短経路で合格に辿り
着くにはどうすれば良いか?を突き詰めて追求した結果のノウハウを弊サイトでは配信
しています。従って当サイトのコンテンツに忠実に沿って受験勉強を進捗させられれば
少なくともやり方の面で足りない部分が在って落ちることは無くなると言い切れます。
失敗1 病態等を最初からネットで調べていたこと
疾患の病態等を調べる時にはまず公式テキストを用いなければいけません。何故なら、
診療情報管理士の認定試験の出題分野と出題基準は次のように規定されている為です。
- 基礎分野
- 公式テキスト1(診療情報管理士テキスト 診療情報管理Ⅰ 基礎・医学編)
と『診療情報管理Ⅱ 基礎・医学・医療用語編』及び診療情報管理士教育練習
問題(基礎・医学編)を中心に出題する - 専門分野
- 公式テキスト2(診療情報管理士テキスト 診療情報管理Ⅲ 専門課程編)と
診療情報管理士教育練習問題(専門課程編)を中心に出題する
公式テキストで調べてみて、載っていなかったらネット等で調べるべきです。最初から
ネットで調べてしまうと公式テキストと異なるキーワードが含まれている説明を拾って
まとめてしまうことになります。つまり公式テキストと言葉が違ってしまうことになり
結果として得点力が下がってしまいます。このような愚かな間違いをしないで下さい。
失敗2 ☆マーク以外にも全て調べてしまったこと
模試問題は選択肢と解説の文章にある知らない用語を全て調べて読み方や意味、病態、
ICD-10のコードを理解して暗記しなければなりません。一方で一問一答の問題集では
認定試験で出そうにない項目がけっこう含まれていて、☆マークを中心に出題の可能性
がある事柄のみを調べて身につける必要があります。一問一答の問題集は公式テキスト
よりも薄くてコンパクトにまとめてありますが、全ての項目を調べて理解して覚えよう
とすると時間と労力が無駄になってしまいます。また客観的に見て一問一答の問題集の
全ての事柄を暗記することは無理です。『知識の解説(基礎課程編)』と『知識の解説
(専門課程編)』で提示している項目のみを調べて下さい。無駄を省くように注意して
下さい。診療情報管理士として実務に就くことを考えれば将来的には無駄になりません
が、受験勉強で合格できるかどうか?の闘いをしている最中は無駄を削除して下さい。
失敗3 他の資格試験の勉強を並行してやったこと
診療情報管理士の通信教育講座では基礎分野と専門分野で48単位を修得するまでが結構
長いです。授業の動画を全て視聴し終えて、練習問題を解いて回答を提出して合格する
所為は慣れれば数ヶ月程で終えられます。例えば基礎課程と専門課程の練習問題を解き
終えてから科目試験までの期間が数ヶ月あったとして、その間に他の資格の受験勉強を
したりするのは推奨できません。弊サイトの編集部の担当者のKさんは診療情報管理士
の通信教育講座を受講している際に診療報酬請求事務能力認定試験(レセ認)(歯科)
の受験勉強を途中で始めたことでハマる事態になってしまいました。通教生として働き
ながら資格試験の受験勉強をして最後に合格の結果を出すだけでも簡単なことではない
のに、それを同時に複数抱えることにはメリットが有りません。時間と労力にコストを
投下して受験勉強を始めれば結果を求めるようになります。犠牲を払ったのだから確実
に合格が欲しくなります。また仕事をしながら複数の資格を目指す受験勉強をするのは
至難の業です。レセ認(歯科)がマニアックで難易度が高い資格であった為にKさんは
合格するまでに何度か受ける羽目になり、その結果、診療情報管理士の通信教育講座の
勉強からは最長で7ヶ月程も離れることになってしまいました。あまり長期間離脱する
と課程で勉強していた内容や問題を解く感覚を忘れるだけではなく受験勉強を再開する
時に億劫になってしまいます。モチベーションが途切れていた状態から復活させるのは
大変だし診療情報管理士の受験勉強をやめたくなってしまう可能性も普通に有ります。
指定校生なら専業で学生をしている訳ですから、同時に複数の資格試験を目指すように
大学や専門学校でカリキュラムが組まれていたりして、診療情報管理士の他に別の資格
の受験勉強をすることには何の問題も有りません。でも通教生はフルタイムで医療事務
の仕事をしていたりして、日常の生活の中でただでさえいつも多忙で負担が大きいので
同時に複数の資格を志向することは避けるべきです。先人達の失敗を活かして下さい。
失敗4 2年9ヶ月の覚悟が定まってなかったこと
診療情報管理士の通信教育講座を受講する前から知っていたことですが、丸2年に及ぶ
課程を乗り超えることは簡単ではないです。入構する時期が1月だと合格発表まで2年
3ヶ月、7月だと2年9ヶ月もかかります。短大に通うのと同じ長さの期間、社会人を
しながら勉強を続けることがご自身にとって本当に可能なのか?やり遂げられるだけの
強い意思があるのか?を慎重に検討しておくべきです。当サイトの編集部の担当者のH
さんは通信教育講座に7月に入講しましたが、長期間になる課程と対峙するだけの決意
や覚悟があまりしっかりとしていませんでした。そのせいで基礎分野の科目試験までは
快調に進みましたが、専門分野に切り替わる時期に気持ちの糸が切れてしまい、新たに
分厚くて重いテキストが郵送されてきても、開封して専門課程の勉強を始める気にすぐ
にはなれませんでした。仕事や家庭の事情もあって、その後4ヶ月くらいは勉強を開始
できず、そのことで認定試験の受験勉強を始めるのが遅れて焦りや不安が生じてしまい
ました。仕事をしながらの資格の勉強は大学や専門学校に通学している訳では無いので
毎日の所作に強制力が無くいくらでもさぼれて延期できてしまいます。受講生の方達が
自己管理をしながら課程の内容を進行させなければなりません。その状況がどのくらい
辛いのか?は当事者としてやってみないと分からないことです。従って通信教育講座に
入講する前に途中でどんなことがあってもやり抜けるのか?を検討しておくべきです。
失敗5 意味が無い疾患の分類の資料を作ったこと
弊サイトの編集部の担当者のCさんは第18回認定試験の直前1ヶ月前になってICD-10の
章毎に疾患を分類するオリジナルの資料を作成しました。認定試験は疾患の章毎の分類
を問う以下のような設問が毎回2題出題され、その為に模試問題の8題だけでなく専門
分野の練習問題を利用して30~50題程度は演習しておくべきと言えます。その延長線上
で一問一答の問題集の各章で出てくる疾患について章名と英字を調べてまとめておくと
各疾患がどの章に分類されているのか?を身につけ易いと考えて資料の形にしました。
【例題】 第Ⅹ章に分類されないものを1つ選びなさい
a. 大腸菌による肺炎
b. 急性咽頭炎
c. 肺虚脱
d. マイコプラズマ肺炎
e. インフルエンザ菌による先天性肺炎
【解説・解答】
a. 大腸菌による肺炎は10章J15.5
b. 急性咽頭炎は10章J02.9
c. 肺虚脱(アテレク・無気肺)は10章J98.1
d. マイコプラズマ肺炎は10章J15.7
e. インフルエンザ菌による先天性肺炎は16章P23.6
正解は e.
疾患の章毎の分類をまとめるオリジナルの資料は次のように作製しました。発想が最初
に思い浮かんだ時点では『画期的で素晴らしい資料だ』と思っていました。しかし20章
まで製作してみて、暗記用のオリジナルの資料に入れて、いざ覚えてみるかとなったら
膨大な個数の疾病が平坦に並んでいるだけで『とても覚えられない!』となりました。
それでICD-10の章毎の病気の分類を問う設問に関して模試問題と練習問題に科目試験
の問題を使って演習をする中で各疾患を覚えるのがベストだと最終的に判断しました。
読者の皆様におかれましても、オリジナルの資料について良いアイディアが浮かんだら
どんどんご自身で作って頂いても構いません。でも『この資料は認定試験の受験勉強の
どこの部分でどのように役立つのか?本当に使えて価値が有る資料なのか?』を客観的
に考慮するようにして下さい。重要なら暗記用の資料に入れて繰り返し読んで下さい。
