診療情報管理士認定試験の受験勉強で病院組織形態の対策方法
診療情報管理士の専門分野の認定試験でたまに1題ずつ出題される『病院組織の形態』
について、公式テキスト2と模試問題での説明が非常に分かりづらい為に、分かり易く
解説しておきます。通教生は指定校生と違い、こちらの項目のように受験勉強の様々な
局面で不利な処遇を受けています。だから当サイトが手を差し伸べることにしました。
病院組織の形態の対策方法
『病院組織の形態』に関しては3つのパターンが登場しますが、まず図解を参考にしな
がら仕組みを理解して、その上で各パターンについて長所と短所を記憶しておくことが
必要です。しかし公式テキスト2に載せてある図が壊滅的に分かりづらい為に、大多数
の通教生の受講生は正確に理解できないまま、なんとなく通り過ぎてしまっています。
組織の形態 | 内容 |
---|---|
ライン型 |
![]() 小規模な病院で見られる組織の形態で、病院長からトップダウン方式で指示命令系統が一元化されていて直通になっているのが特徴である 長所 命令と報告の関係が上下だけで、単純で分かり易い 短所 病院組織の管理者の地位にある人物が仕事上のあらゆる知識を持っていないといけなくて、そのような極めてハイスペックな人財を得るのが一般に困難であること 特定の能力を持つ専門家を有効に活用できないこと |
ファンクショナル型 |
![]() 比較的古い時代に存在していた、医療専門職のスタッフが独立して水平に配置されている組織の形態で、セクション(部署)毎に指示命令系統が明確に定義されていないのが特徴である 長所 仕事の種類と性質毎に責任と権限が分けられて行使され、各分野の専門家の指導により仕事をする為、未熟な人でも有効に使えること 短所 各部署における指示命令の相対的な調整が困難で、全体の統制が取りにくいこと |
ライン・スタッフ型 |
![]() 一定レベル以上の規模の病院では病院長からライン(各部門)の長に指示が出され、ラインの長がその直下に配置されている各スタッフに指示をするライン・スタッフ型の組織形態が一般的で、ライン型より権限の委譲がある程度進んでいる組織形態であるのが特徴である 長所 ラインの長の位置の人は通常の本来的な業務に集中できること 専門的な事柄についてはスタッフから知識の助言や支援を受ける関係になること 短所 スタッフの位置の人による仕事上の助言と、組織の命令系統による指示とが混同され易く、責任の所在が不明になるケースが有ること |
病院組織の形態は基本的には診療部(医局)や看護部と医療技術部(薬剤課、検査科、
放射線科、栄養科、リハビリテーション科等)に事務部から成り立っています。他には
情報管理と経営企画に医療相談等の専門性を伴う部署が在りますが、病院の規模や編成
によって集約及び兼業される場合が多いです。各ラインの長は病院長を補佐して病院の
経営面について考える役割と各部門を統括する役割を区別して担当すべきと言えます。
例えば副病院長で診療部門の統括をする医師でも、一つの部門長としての役割を超えて
看護部門と医療技術部門に事務部門等の他の部署に対して直接的に指示や命令を発する
ことは原則としてできません。必要な場面では院長を通してライン上で出すべきです。
【例題】
病院組織の形態について正しいものを1つ選びなさい
a. ライン型の短所は仕事の種類と性質毎に責任と権限が分けられて行使されることである
b. ファンクショナル型の短所は管理者を担当できる人材を得るのが困難なことである
c. ライン型の長所は技術レベルが未熟な人材でも有効に使えることである
d. ライン・スタッフ型の長所はラインの位置の人が本来的な業務に集中できることである
e. ライン・スタッフ型の短所は特定の能力を持つ専門家を有効に活用できないことである
【解説・解答】
a. 仕事の種類と性質毎に責任と権限が分けられて行使されることはファンクショナル型の長所である
b. 管理者を担当できる人材を得るのが困難なことはライン型の短所である
c. 技術レベルが未熟な人材でも有効に使えることはファンクショナル型の長所である
d. ○
e. 特定の能力を持つ専門家を有効に活用できないことはライン型の短所である
正解は d.
まとめ
『病院組織の形態』に関しては公式テキスト2中の図が非常に分かりづらく、それらを
見ながら3つの組織の形態に係る説明を読んでも、誰しも完璧には理解できないです。
あんないい加減な図を公式テキスト2に平気で載せているから通教生の一般生と編入生
の方達は日常で受験勉強をしながらどんどん苦境に追い込まれていってしまうのです。
公式テキスト2の当該箇所の編集委員の先生が3個の図をどこから引用してきたのか?
又は独自に作成をされたのか?等の経緯は分かりませんが、絶対に負けないで下さい。
