診療情報管理士認定試験受験勉強の直前期の追い込みメニュー
『診療情報管理士の認定試験の受験勉強での直前期の追い込みのメニューはどのように
決めればよいでしょうか?年に1回しかない試験だからすごく不安で.. 』と読者の方達
からご相談を沢山頂きましたのでお答えしておきます。但し、こちらの記事での直前期
とは認定試験の2週間前から当日までの期間のことで誤解をしないようにして下さい。
目次
直前期の追い込みメニューの例
診療情報管理士の認定試験で受験勉強の直前期のメニューを決める視点としては以下の
ことが重要で残り時間で得点力を最大限に上げるにはどうすれば良いか?を考えます。
- 基礎分野と専門分野を同時に勉強すること
- 問題の演習と知識の暗記を同時にすること
- 3種類の教材とオリジナル資料を使うこと
- 公式テキスト1・2をもはや使わないこと
認定試験の合格者である当サイトの編集部の担当者が全会一致で推す直前期のメニュー
を具体的にお伝えします。以下の作業を同時に進行させることで必要十分な最終調整を
図れます。認定試験まで残り1ヶ月を切ったら問題の解き方と順序に時間配分の作戦を
早めに決めておくことが必須です。そして通教生の方達は大半が医療事務の仕事をして
いらっしゃる社会人の方達です。認定試験の受験勉強だけに使える時間は人によって、
日によって異なってきます。従って各作業の1日当たりの分量を適宜調節して下さい。
因みにこれら11個の作業は上に記載されている項目程重要度が高くなります。例えば
直前期には模試問題を通して解いて解説と知識の暗記が最重要ということになります。
通教生の方達は大半が社会人で基礎課程と専門課程の模試問題を1回分通して全て解く
演習をする時間が普段なかなか取れないと推察されますが、直前期は必ずして下さい。
- 模試問題の基礎分野を解く演習(1回分で50問)
- 模試問題の専門分野を解く演習(1回分で60問)
- 一問一答の問題集の基礎分野の暗記(数ページ)
- 一問一答の問題集の専門分野の暗記(数ページ)
- 原死因を判定する問題だけを集めた資料での演習
- オリジナル資料(暗記用)を繰り返し読んで暗記
- 専門分野11・12章の練習問題のまとめ資料で演習
- 専門分野5~7章の練習問題のまとめ資料で演習
- 中間分類項目のまとめ資料を繰り返し読んで暗記
- 専門分野の科目試験の問題を抜粋した資料で演習
- 語呂合せ等の暗記本の本編と索引を確認して暗記
模試問題を通して解く演習
基礎分野と専門分野の模試問題で選択肢と解説の文章、解説の周囲に書き込んだ説明を
全て覚える姿勢で設問1回分を通して解く練習を認定試験の前日まで継続して下さい。
本来はこの時期に初見の模試問題や予想問題を解いて最終調整をしたいところですが、
診療情報管理士の認定試験ではそれができないので仕方ないです。演習をしながら知識
をちょっと確認して記憶を強化しておきたいと感じた場面では次のオリジナルの資料を
フルに活用して下さい。認定試験は膨大な量の知識が必要で、貪欲に暗記して下さい。
- 模試問題の基礎分野の辞書用の資料
- 模試問題の基礎分野の暗記用の資料
- 模試問題の専門分野の辞書用の資料
- 模試問題の専門分野の暗記用の資料
- 一問一答の問題集の基礎分野の辞書用の資料
- 一問一答の問題集の基礎分野の暗記用の資料
- 一問一答の問題集の専門分野の辞書用の資料
- 一問一答の問題集の専門分野の暗記用の資料
一問一答の問題集での暗記
一問一答の問題集は穴埋めの箇所の答えを確認しながらとにかく繰り返し読んで覚えて
下さい。直前期であまり時間が無いので、例えば苦手な章だけ読み込んだりして緩急を
つけて下さい。各章で☆マークを含めてどの項目を覚えておくべきか?は『知識の解説
(基礎課程編)』と『知識の解説(専門課程編)』で整理してあり参考にして下さい。
一問一答の問題集に載っている説明は模試問題の解説の文章で足りていない知識を補完
してくれていて、更に模試問題で出てこない知識を吸収できるので最後まで大切です。
原死因を選ぶ問題での演習
原死因を判定する問題の対策方法はまず一般原則と選択ルールに修正ルールを理解して
から、とにかく演習を繰り返して各設問の解き方をパターンとして暗記することです。
原死因の問題は以下の5箇所にあるので演習に利用して下さい。模試問題以外は独自の
資料としてA4のファイルにまとめて下さい。因みに4と5で合計34題で、全部で54問の
設問を用意して繰り返して演習していましたが、分量としてはそれで必要十分でした。
認定試験で原死因の問題は毎回2問出題されて、最初の設問は大抵一般原則で選ぶもの
で、次の問題で選択ルールや修正ルールを併用する場合があり、少し難しくなる可能性
があります。でも認定試験では難しい設問がそもそも出ないので、原死因は修正ルール
(特にルールC)について深く突っ込んで勉強しても無駄になってしまいます。最良の
準備方法は54題の内容を全て暗記して、類似の問題への対応力を身につけることです。
仮に5の設問が見つからなかったとしても原死因は認定試験で2題しか出ないので、全体
で30~40問を覚えておけば充分です。公式テキストの例題は頻出という噂があります。
- 模試問題4回分にある問題(8問)
- 専門分野の12章の練習問題(10問)
- 専門分野の科目試験の問題(2問)
- 公式テキスト2の12章に掲載の例題
- 合格者のブログに掲載の昔々の問題
【例題】 原死因を1つ選びなさい
Ⅰ (ア)脳梗塞及び臥床<沈下>性肺炎
(イ)高血圧症及び糖尿病
(ウ)アテローム<じゅく<粥>状>硬化症
Ⅱ 高血圧性心疾患
a. 脳梗塞
b. 臥床<沈下>性肺炎
c. 高血圧症及び高血圧性心疾患
d. 糖尿病
e. アテローム<じゅく<粥>状>硬化症
【解説・解答】
複数の因果関係が記載してあり『アテローム粥状硬化症による高血圧症による脳梗塞』
と『アテローム粥状硬化症による糖尿病による脳梗塞』で、選択ルールのルール1から
最初に記載された上下の因果関係を選びアテローム粥状硬化症(9章I70.9)になるが、
これは高血圧症(9章I10)と連鎖していて、更に高血圧症は脳梗塞と連鎖しているので
修正ルールのルールCから脳梗塞(9章I63.9)が正解となる。脳梗塞や心疾患の原因に
アテローム粥状硬化症(動脈硬化症)がある場合は原死因としてそこまでは遡らない。
オリジナルの資料での暗記
オリジナルの資料(暗記用)というのは次の2・4・6・8の資料をまとめて一緒に印刷
してA4のファイルに閉じたもので項目毎に覚え方が違い、直前期の追い込みメニュー
で当然使用します。認定試験の当日まで繰り返し読んで暗記して下さい。独自の資料を
A4のファイルに収納する為にゲージパンチを使い、持ってない方達は用意して下さい。
- 模試問題の基礎分野の辞書用の資料
- 模試問題の基礎分野の暗記用の資料
- 模試問題の専門分野の辞書用の資料
- 模試問題の専門分野の暗記用の資料
- 一問一答の問題集の基礎分野の辞書用の資料
- 一問一答の問題集の基礎分野の暗記用の資料
- 一問一答の問題集の専門分野の辞書用の資料
- 一問一答の問題集の専門分野の暗記用の資料


因みに直前期に持ち歩いて受験勉強をしていた教材は模試の問題や解説を閉じてあるA4
のファイルと、オリジナルの資料及び練習問題等を閉じてあるA4のファイル、一問一答
の問題集(基礎分野と専門分野をセロテープで繋げて1冊にして外側にカバーをつけて
いた)、語呂合せ等の暗記本だけでした。その時期に分厚くて重い公式テキスト2冊を
持ち歩くような愚行は間違ってもしないで下さい。また模試問題で演習をする時に答案
を書き出す用途でA4の用紙を何枚か準備しておいて下さい。他には筆記用具だけです。
たまに『この疾患の病態はどんな内容だったっけ?』等と調べる為にオリジナルの資料
(辞書用)を使う機会がありましたが、もうこの頃はPCですらほぼ使いませんでした。
認定試験が近づく程、手元に有る受験勉強用の教材は精査の上で削ぎ落とされていき、
ダウンサイズされて得点力を上げる為に真に必須なアイテムだけに限定されてきます。
専門分野の練習問題で演習
認定試験の受験勉強を始めてみて専門分野では11・12章、更に統計等が収録されている
5~7章の内容に不安があり、練習問題の中で五肢択一になっている設問を中心に抜粋
して設問と解説をそれぞれ資料の形にまとめて印刷して繰り返し演習をしていました。
模試問題を参考にして練習問題は厳選しないといけませんが、これはとても効果があり
ました。結果として5~7章はそれ程難しい設問が出ないと分かり、直前期には演習を
やめましたが、11・12章の問題は原死因を含めて頻出の出題形式があり、最後まで繰り
返して演習していました。原死因の他にも退院時要約(サマリー)問題や疾患の章毎の
分類を問う設問があったりして11・12章の練習問題は部分的に演習に利用して下さい。
- 診療情報管理士 専門課程
- 第5章 保健医療情報学
- 第6章 医療統計Ⅰ(統計理論)
- 第7章 医療統計Ⅱ(病院統計・疾病統計)
- 第11章 国際統計分類Ⅰ
- 第12章 国際統計分類Ⅱ
因みに5~7章は統計の難しい計算問題等が出題されず、用語の意味を問うような設問
ばかりなので公式テキスト2をそんなに読まなくても済みましたが、11・12章は重要な
事柄が沢山登場して理解した上で覚えておいて、認定試験の問題を解く為に必要になる
知識まで身につけないといけません。特に12章のICD-10の分類体系は最も重要です。
中間分類項目の資料の暗記
中間分類項目はそんなに詳しく覚える必要は無くて、専門課程の12章で中間分類項目が
書いてあるページだけをコピーしてA4のファイルに閉じて繰り返し読んで全体を軽めに
知っておいて下さい。認定試験では『~の正しいコードを1つ選びなさい』という問題
が毎回3~5題は出されて、主にその設問の対策として知っておくと得点し易いです。
但し1~21章の中間分類項目を全て覚えることは無理で、模試問題で出題された設問を
中心に中間分類項目の仕組みと具体的な疾患等を暗記しておくことで対処して下さい。
【例題】 「2型糖尿病性腎症」の正しいコードを1つ選びなさい
a. E10.1
b. E10.1† N08.3*
c. E10.2
d. E11.1† H36.0*
e. E11.2† N08.3*
【解説・解答】
原疾患の2型糖尿病はE11で、4桁細分類項目の『.2† 腎合併症を伴うもの』をつけて、
腎症(腎臓の機能が低下する糸球体疾患)は14章(N00~N08)で、正解は e. となる。
専門分野の科目試験で演習
専門課程の科目試験は1~12章の各章20問で合計240題で、特に五肢択一や四肢択一の
問題で認定試験の受験勉強で類題として活用できそうな設問だけ抽出して集めてA4の
ファイルに閉じて繰り返し演習をしていました。特に『~章に分類されないものを1つ
選びなさい』の問題や、原死因、退院時要約(サマリー)等の設問が役に立ちました。
専門分野の科目試験を認定試験の受験勉強で活用しようと考えたのは模試問題が4回分
しかなくて、とにかく演習量が少なくて不安だったからで、真似しても損は無いです。
【例題】 第Ⅹ章に分類されないものを1つ選びなさい
a. マイコプラズマ肺炎
b. 肺虚脱
c. インフルエンザ菌による先天性肺炎
d. 大腸菌による肺炎
e. 急性咽頭炎
【解説・解答】
a. マイコプラズマ肺炎は10章J15.7
b. 肺虚脱(アテレク・無気肺)は10章J98.1
c. インフルエンザ菌による先天性肺炎は16章P23.6(QでもJでもない)
d. 大腸菌による肺炎は10章J15.5
e. 急性咽頭炎は10章J02.9
正解は c.
【注意】
この内容の設問では解説として疾患の病態等を調べて書いて理解してICD-10のコード
と一緒に覚えるようにして、病態を知らない疾病は覚えられないので注意して下さい。
このタイプの問題は認定試験で毎回2題出題され、模試問題の8問だけだと不安なので
専門課程の12章の練習問題から55題を抽出して演習して、そのくらいで必要十分です。
語呂合せ等の暗記本で暗記
語呂合せ等の暗記本は本編で用語の読み方や意味と病態にICD-10のコード等を追記して
その他に索引から日本語の意味やICD-10のコード等をアウトプットできるか?チェック
をする使い方をしていました。また認定試験の受験勉強でなかなか覚えられない知識を
索引と本編の余白に書き込み、それも思い出せるか?を確認するようにしていました。
語呂合せ等の暗記本は例えば10分程度のスキマ時間でも知識の暗記をけっこうできて、
そして小さくて薄く軽い冊子で持ち運びし易く常に携帯して勉強を継続していました。
模試問題を解いたり、一問一答の問題集の説明を読んだりするのはやはり机がある環境
でないときついので、通勤をする際の細切れの時間等にもこの本を使い倒して下さい。
因みに認定試験の会場にはオリジナルの資料等のファイルと語呂合せ等の暗記本のみを
持って行きました。大して勉強時間は取れないので可能な限り荷物を少なくしました。
最後に
診療情報管理士の認定試験では過去問題が巷で流布していず、会場模試を受けられず、
更に定式化された受験勉強のやり方が存在しませんでした。しかし当サイトで紹介して
いる受験勉強のノウハウを忠実に実行して全て乗り超えて、最終調整の作業を最後まで
やり抜ければ必ずや合格はできると編集部の担当者一同は確信しています。認定試験の
合格率は指定校生が7~9割で、通教生は約4割です。それは『医療の資格』の模試問題
と一問一答の問題集が無い状態なら当然の結果です。編集部の担当者が受験勉強を始め
ようとした時に最初にしたのは受験勉強の方法論を徹底的に調べることでした。しかし
『医療の資格』の教材にはたどり着いても、そこから先で『いつ・何を・どうする』の
情報が全くありませんでした。因みにメルマガの中で紹介されている、公式テキストに
マーカーを引いて何度も通読を繰り返すという受験勉強の仕方は弊サイトでは絶対禁忌
として警告しています。認定試験の受験勉強では他の資格や指定校生と比較して不利に
なる事情が有り、通教生は不安や怖さと焦りを感じ易いです。そんな中で間違ってない
方法で最後まで受験勉強をやり抜くには相応の覚悟と決意が必要で、だから厳しい言葉
も述べてきました。当サイトのコンテンツをご覧頂いている読者の方達におかれまして
は、学生さんでも社会人さんでも、何度も受験を繰り返しているような状況にはなって
ほしくないからです。自身がやった努力だけしか結果には現れません。勝って下さい。
