診療情報管理士の認定試験での医学史の偉人の名前と業績まとめ
認定試験の基礎分野で出題される、医学史上の偉人に関する問題の対策方法を解説して
おきます。この設問は毎回の認定試験で1~2題出されて、暗記しておけば確実に得点
できます。模試問題と一問一答問題集に語呂合せ等の暗記本を用いて繰り返し演習して
おけば情報の不足は無いです。でも念の為に少し情報量を増やしたオリジナルのネタを
紹介しておきます。この設問は偉人の名前と出身地、職種、専門分野、業績等が問われ
ます。必要最低限の範囲と少し余剰の部分を併せて示しますので覚えておいて下さい。
医学史上の偉人シリーズ(必要最低限)
この問題は例えば『フランスの外科医パレは「私が処置をし、神がこれを癒し給うた」
との名言を残した』というように人名と業績等を示す選択肢が出題されます。その中で
人名と業績等が適当に変えられていて、肢の内容が正しいかどうか?の判断をすること
になります。模試問題と一問一答の問題集、語呂合せ等の暗記本に載っていて、最低限
覚えておくべき偉人を列挙しておきます。但し『医療の資格』の教材中で書かれている
内容そのままではなくて、適宜調べて文言を追加してありますので注意をして下さい。
偉人の名前 | 主な業績等 |
---|---|
ヒポクラテス | 古代ギリシア時代の医師で医学の祖とされ、『ヒポクラテスの誓い』を提唱して、『ヒポクラテス集典』が著された |
シデナム | 『イギリスのヒポクラテス』と称されて、開業医として疾病分類をした |
ガレヌス | 炎症の四徴候(発熱・発赤・疼痛・腫脹)と炎症の五徴候(発熱・発赤・疼痛・腫脹・機能障害)、四つの気質(多血質・粘液質・胆汁質・憂鬱質)を提唱した |
アッ・ラーズィ (1人の人名) |
イスラムの医学者で『医学の貯蔵箱、コンティネンス』を著した(continence 抑制・自制・禁欲) |
アヴィセンナ | イスラムの医学者で『医学典範』を著した |
ベサリウス | イタリアの解剖学者で、それまで禁止されていた人体解剖をして『Fablica(ファブリカ 人体の構造を解説した名著)』を著した |
パラケルスス・パレ | 錬金術を応用して薬を製造した フランスの外科医パレは『私が処置をし、神がこれを癒し給うた』との名言を残し、銃創等の戦傷の外科的治療を多く手がけ、外科器具や義手、義足、血管結紮による止血法等を考案した |
ハーベイ | 血液循環学説に則って『心臓の運動』を著した |
ヤンセン親子 | 顕微鏡を発明した |
フック | 顕微鏡を用いて細胞を発見し『cell 細胞』という言葉を初めて用いた |
コッホ | 結核菌とコレラ菌を発見した |
マルピギー | 顕微鏡を用いて毛細血管を発見した |
パブロフ | 条件反射の研究をした |
レーウェンフーク | 顕微鏡を用いて細菌と赤血球を発見した |
ブールハーフェ | オランダの大学でベッドサイドティーチングを導入した |
ジェンナー | 天然痘(痘瘡)に対して種痘(予防接種)を初めて行なった |
モーニケ | ドイツ人のオランダ陸軍軍医で天然痘(痘瘡)に対して日本で種痘(予防接種)を初めて行なった 【注意】モーニケはあまりメジャーではなく、ジェンナーとセットで覚えておく程度で良いです |
アウエンブルゲル (アウエンブルガー) |
打診法(胸部や腹部を叩いて診察する方法)を創始した |
ラエネック | 肺結核等の胸部疾患の研究をして聴診器による診断法を確立した (聴診器を当てて身体の中の音を聞いて診察する方法を聴診法という) |
ウィルヒョウ | ドイツの病理学者で疾患の原因を細胞病変に求める細胞病理学説を提唱した 【参考】ウィルヒョウ転移は消化器癌等(例 胃癌)が左鎖骨の上のくぼみにあるリンパ節(左鎖骨上窩リンパ節)に転移すること |
ゼンメルワイス | 産褥熱(出産後に2日以上、38℃以上の発熱が続く症状)について研究して感染の概念を考案し、器具や医師の手を洗って感染を予防することの大切さを説いた |
パスツール | 腐敗の原因を発見して腐敗の防止と感染の防御の方法を確立して、牛乳の低温殺菌法を創出して、感染の原因としてウイルスの存在を予見して、炭疽病(炭疽菌による人獣共通感染症)と狂犬病の予防接種を行なった |
モートン | エーテルによる麻酔法を発見した |
シンプソン | クロロホルムによる麻酔法を発見した |
レントゲン | X線を発見した(第1回ノーベル物理学賞を受賞した) |
キュリー夫妻 | 理学療法に用いるラジウムを発見した |
クレペリン | ドイツの精神科医で内田クレペリン精神検査(性格検査と職業適性検査の一種)を開発した |
ナイチンゲール | 看護学の祖として『看護覚え書』を著した |
ランドシュタイナー | オーストリアの病理学者・血清学者で血液型(ABO式血液型やRh式血液型等の複数の血液型)を発見した |
アショフ | 細網内皮系(免疫や食作用等の身体の防衛的な働きをする同一系統の組織のこと)を発見した |
スターリング | セクレチン(消化管ホルモンの一種)を十二指腸粘膜内で発見した |
ケンダル | サイロキシン(甲状腺ホルモンの一種)を甲状腺から分離した |
フレミング | ペニシリンを発見した |
フローリ | ペニシリンを臨床に応用した |
シャウデン・ホフマン(1人の人名) | 梅毒の病原体を発見した |
ワッセルマン | 梅毒の血清反応(ワッセルマン反応)を発見した |
ワックスマン | ストレプトマイシン(結核に有効な抗生物質)等の抗生物質を発見した |
ドーマク | プロントジール(化学療法剤)の化学抗菌作用を発見した |
ミューラー・ホフマン | ドイツ人の軍医で東京医学校(東京帝国大学医科大学の前身で後の東京大学医学部のこと)で初の招聘教授として教鞭を執った(ミューラーはドイツの生理学者) |
ピルケー | オーストリアの小児科医で、異物が身体に侵入した後、その異物に対して生体の反応性が変化することをアレルギーと名づけ、その異物をアレルゲンと呼んでアレルギー説を提唱した |
バンチング・ベスト | インスリンを発見した |
志賀潔 | 赤痢菌を発見した |
野口英世 | 黄熱病や梅毒の研究をしていて、アフリカで研究中に黄熱病に罹患して51歳で客死した |
秦佐八郎(はたさはちろう)・エールリッヒ | サルバルサン(梅毒の治療薬)を創薬した |
北里柴三郎・ベーリング | 破傷風の抗毒素を発見して血清療法を実用化した |
華岡青洲 | 世界初の全身用の麻酔薬『麻沸散(通仙散)』を用いて乳癌の手術を行なった |
鈴木梅太郎・フンク | ビタミンBを発見した |
高峰譲吉 | アドレナリンを発見した |
山極勝三郎・市川厚一 | ウサギの耳にコールタールを塗って人工癌を発症させた |
梅沢浜夫 | カナマイシン(結核用の抗生物質)を発見して精製した |
杉田玄白・前野良沢 | 『解体新書(ターヘル・アナトミア)』を出版した |
ブライト | イギリスの病理学者 |
ロキタンスキー | ウィーンの病理学者 |
ベルナール | フランスの生理学者 |
ベル | イギリスの生理学者 |
例題 医学研究について、正しいものを1つ選びなさい(解答・解説は記事の最後)
a. 鈴木梅太郎は全身用の麻酔薬の麻沸散を用いて乳癌の手術を行なった
b. 志賀潔は黄熱病の研究をアフリカでしていて51歳の若さで亡くなった
c. パスツールは「私が処置をし、神がこれを癒し給うた」との言葉を残した
d. 高峰譲吉はビタミンBを発見した
e. 秦佐八郎は梅毒の治療薬としてサンバルサンを創薬した
医学史上の偉人シリーズ(余剰の部分)
診療情報管理士の認定試験では少しマイナーな存在であるが、もしかしたら出題される
かもという偉人の方達を以下で提示しておきます。余力があれば知っておいて下さい。
逆に、医学史上の偉人シリーズは上記の必要最低限の部分だけでも余裕で正解できます
ので、余剰の部分を超えて深掘りは無駄になってしまうことから絶対しないで下さい。
偉人の名前 | 主な業績等 |
---|---|
ヘロフィロス | ギリシアの外科医で神経解剖学の祖で十二指腸を発見した |
エラシストラトス | ギリシアの解剖学者・生理学者で心臓に弁が有ることを発見した |
グーテンベルグ | ドイツの金細工師、印刷業者で活字を開発して活版印刷術を発明した |
ラボアジェ | フランスの化学者で呼吸生理の研究をして『呼吸とは空気中の酸素を用いて二酸化炭素と水を生じる燃焼の一過程である』と定義して質量保存の法則を明らかにした |
ハンター | イギリスの外科医、解剖学者で、解剖講座で使用する新鮮なご遺体を非合法的な手段を辞さずに調達する裏の顔を持っていて、世界初の人工授精を成功させた |
プラヴァーズ | フランスの外科医で従来の浣腸器を改良して注射器の原型を発明した |
リスター | イギリスの外科医で外科手術後に傷口が腐敗するのは大気中の細菌(微生物)が原因だと考えて石炭酸(フェノール)による防腐法(消毒法)を開発した |
ハウンスフィールド | イギリスの電子技術者でX線CT(X線断層撮影技術)の開発により1979年にノーベル生理学・医学賞をアラン・コーマック(1人の人名)と一緒に受賞した |
貝原益軒 | 江戸時代初期の儒医(儒学者で医師を兼業する者)で『養生訓』を著した |
アルメイダ | ポルトガルの商人で医師で、西洋医学を国内に導入して日本初の洋式病院を創設した |
徳川吉宗 | 小石川薬園内に施薬局(小石川養生所)を設けて低所得の病人や、看護する人がいない者等を収容して療養した |
緒方洪庵 | 江戸時代後期の蘭医学者で西洋医学の紹介に優れた業績を残し、大阪に『適々斎塾(適々塾、適塾)』を開設して福沢諭吉等の日本の近代化を推し進めた多数の人材を輩出した |
和田泰然(後に改姓して佐藤泰然) | 長崎でオランダ語と医学を修めた医師で、江戸で蘭方医学塾として『和田塾』を開き、蘭学塾兼日本最初の私立病院である順天堂(後の順天堂大学医学部附属順天堂医院)を創設した |
シーボルト | オランダ商館の医師として来日したドイツ人で、長崎郊外に医学私塾兼診療所として『鳴滝(なるたき)塾』を創設した |
ポンペ | オランダの海軍の軍医で体系的な近代医学教育を行ない、日本最初の西洋式近代病院として『小島養生所(養生所兼医学所)』を創設した |
ウィリアム・ウィリス(1人の人名) | 日本初の公立外科病院である横浜軍陣病院で戊辰戦争での負傷兵の治療に当たった |
ベルツ・スクリーバ(スクリバ) | ドイツの医師で東京医学校(東京帝国大学医科大学の前身で後の東京大学医学部のこと)で教鞭を執って医学の教育に貢献した |
例題 正解はe
a. 麻沸散を用いて乳癌の手術をしたのは華岡青洲で、鈴木梅太郎はビタミンBを発見した
b. 黄熱病の研究をしていたのは野口英世で、志賀潔は赤痢菌を発見した
c. 「私が処置をし、神がこれを癒し給うた」はフランスの外科医パレの言葉で、パスツール
は炭疽病と狂犬病の予防接種を行なった等の業績がある
d. 高峰譲吉はアドレナリンを発見し、ビタミンBを発見したのは鈴木梅太郎とフンクである
e. ○
