診療情報管理士の認定試験基礎分野でよく出る英語略語まとめ
診療情報管理士の認定試験の基礎分野では最後に英語の接頭語と接尾語、英語の略語、
英語と病名の組み合せ等が1題ずつ出されます。それらは繰り返し読んで丸暗記をして
おけば簡単に得点できる問題で落とすと勿体無いです。そこでどのように対策を講じる
べきか?を具体的に説明しておきます。無駄を省いて準備して確実に得点して下さい。
基礎課程の英語の略語
英語の接頭語や接尾語、英語と病名の組み合せの設問は模試問題と語呂合せ等の暗記本
を繰り返し読んで覚えておくだけで十分です。しかし英語の略語は基礎分野と専門分野
の他の設問でも普通に登場してきます。従ってもう少し個数を増やして多めに暗記して
おくと良いです。次の表に含まれている知らない用語は調べて理解して覚えて下さい。
余談ですが、英語の略語については略語を構成している英単語を必ずしも調べる必要は
ありません。語句によっては知っておいた方が望ましいケースが有るという感じです。
またこちらの記事では英語の略語を主に紹介していますが、表中の言葉について読み方
や意味と病態にICD-10のコード等を調べて書き込んでおいて下さい。知らない用語が
出てきたら調べて理解して暗記をするしかないです。記載されている説明の内容が英語
の略語以外の他の問題で出題されることは頻繁にありますのでしっかり覚えて下さい。
英略語 | 意味 |
---|---|
EMR | 内視鏡的粘膜切除術 Endoscopic Mucosal Resection 電子カルテ(電子医療記録) Electronic Medical Record |
EHR | 電子健康記録、生涯医療記録(個人の保健医療福祉に関する情報を蓄積した記録) Electronic Health Record |
PHR | 個人健康記録(患者が自身で健康情報を管理するシステム) Personal Health Record |
ERCP | 内視鏡的逆行性胆膵管造影(胆嚢癌の胆管浸潤の診断に有効である) |
NCD | 外科系学会による手術症例のデータベース National Clinical Database |
NCDs(4個) | 非感染性疾患で、心血管疾患・糖尿病・がん・慢性呼吸器疾患 Non Communicable Diseases |
NSAIDs | 非ステロイド性抗炎症薬 |
DMARDs | 疾患修飾性抗リウマチ薬 |
MTX | メトトレキサート(免疫抑制作用がある抗リウマチ薬) |
UC | 潰瘍性大腸炎 Ulcerative Colitis |
BBB | 血液脳関門 Blood Brain Barrier |
ARDS | 成人呼吸促迫(窮迫)症候群 |
IRDS | 新生児呼吸促迫(窮迫)症候群 |
TTN | 新生児一過性多呼吸 |
IGRA | インターフェロンγ(ガンマ)を指標として結核菌の感染を診断する検査法 |
TPHA法 | トレポネーマ抗体(IgG抗体)を検出する梅毒の検査法 |
STS法 | リン脂質の抗体を測定する梅毒の検査法 |
AML | 急性骨髄性白血病 |
CML | 慢性骨髄性白血病 |
ALL | 急性リンパ性白血病(三大徴候は発熱・貧血・出血傾向) |
Ph | フィラデルフィア染色体 Philadelphia Chromosome
急性骨髄性白血病と慢性骨髄性白血病に急性リンパ性白血病はフィラデルフィア染色体が認められ、これらの3疾患は末梢血中でNAPスコアが低値を示し、白血球数が減るが、類白血病反応ではフィラデルフィア染色体が認められず、白血球数が増える |
TTP | 血栓性血小板減少性紫斑病 |
ITP | 特発性血小板減少性紫斑病 |
SHP | シェーンライン・ヘノッホ紫斑病(アレルギー性紫斑病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、IgA血管炎) |
SSPE | 亜急性硬化性全脳炎(スローウイルス感染症で、麻疹(はしか)に罹患して約7年後に発症する) |
PML | 進行性多巣性白質脳症 |
IPAH | 特発性肺動脈性肺高血圧症 ≒ 原発性肺高血圧症 |
AION | 前部虚血性視神経症 |
SAH | くも膜下出血 |
AAA | 腹部大動脈瘤 |
AGML | 急性胃粘膜病変 |
SIADH | 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 |
ACS(急性冠症候群) | 虚血性心疾患IHDについて一過性の心筋虚血である狭心症と、心筋が壊死する心筋梗塞のどちらであるか?両者の正確な鑑別診断が困難な場合に急性冠症候群として治療する |
TTTS | 双胎間輸血症候群 |
GIST | 消化管間質腫瘍 |
PEIT | 経皮的エタノール注入療法(肝細胞癌の代表的な治療方法) |
TAE | 肝動脈塞栓療法(肝細胞癌の代表的な治療方法) |
HSV | 単純ヘルペスウイルス |
CMV | サイトメガロウイルス |
VZV | 水痘・帯状疱疹ウイルス |
HPV | ヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス) |
CEA | 癌胎児性抗原(大腸癌の腫瘍マーカー) |
PSA | 前立腺特異抗原(前立腺癌の腫瘍マーカー) |
AFP | α-フェトプロテイン(肝細胞癌の腫瘍マーカーである糖蛋白) |
ISO | 国際標準化機構 International Organization for Standardization |
JCI | 合同機構国際認定 Joint Commission International |
PHN | 保健師 Public Health Nurse |
RD | 管理栄養士 Registered Dietitian |
Ht | ヘマトクリット値 |
Hb | ヘモグロビン |
RBC | 赤血球 |
HLA | ヒト白血球抗原(ヒトの白血球の抗原の型) |
OLAP | オンライン分析処理 OnLine Analytical Processing |
GCP | 医薬品の臨床試験の実施基準に関する省令 Good Clinical Practice |
CRC | 治験コーディネーター Clinical Research Coordinator |
hCG | ヒト絨毛性ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモンで、妊娠中に産生される糖タンパク質のホルモン) |
CRP | C-リアクティブプロテイン、C反応性蛋白 C-Reactive Protein
たんぱく質で、体内で炎症が起きたり組織細胞に障害が起こるとこのたんぱく質が増え、この検査値からどの臓器に異常が起こっているか?という診断はできないが、炎症状態の経過を見るのに重要な検査値である |
MEDIS-DC | 医療情報システム開発センター(一般社団法人)(ICD-10対応標準病名マスターを開発した)
|
LDL | 悪玉コレステロール(肝臓で合成したコレステロールを全身の組織へ運搬し、LDLが増え過ぎると脂肪太りして動脈硬化を来して心筋梗塞や脳梗塞を発症する) |
HDL | 善玉コレステロール(不要なコレステロールや中性脂肪を細胞から回収して素早く肝臓へ運ぶ) |
VLDL | 超低密度リポタンパク質(肝臓で合成した脂質を組織に運搬し、血管中でLDL(悪玉コレステロール)に変化してコレステロールを細胞に届ける) |
SPECT | 単一光子放射断層撮影(脳血流シンチグラフィーで、脳の血流や働きを診る検査である) |
PET | 陽電子放出断層撮影、ポジトロンCT |
GID | 性同一性障害 Gender Identity Disorder |
PDD | 広汎性発達障害 Pervasive Developmental Disorder |
ADHD | 注意欠陥多動性障害 Attention Deficit Hyperactivity Disorder |
MOF | 多臓器不全 Multiple Organ Failure |
PTH | 副甲状腺ホルモン(カルシウムの再吸収を促進し、腎臓に作用する) |
Vf | 心室細動 Ventricular fibrillation |
VT | 心室頻拍 Ventricular Tachycardia |
TAVI | 経カテーテル的大動脈弁植え込み術(大動脈弁狭窄症の手術不能例に対する低侵襲的な治療法) |
DPT-IPV | 定期接種する4種混合ワクチン(Dは Diphtheria ジフテリア、Pは Pertussis 百日咳、Tは Tetanus 破傷風、IPVは Inactivated Polio Vaccine 不活化ポリオワクチンでポリオ(急性灰白髄炎)) |
vWF | フォンウィルブランド因子(血液中の凝固因子のことで、血小板や血管内皮細胞から分泌される) |
RPF | 腎血漿流量 |
GFR | 糸球体濾過量 |
CPD | 児頭骨盤不均衡(機能的診断法はザイツ法) |
TEN | 中毒性表皮壊死症 |
PAM | プラリドキシム(有機リン剤による中毒の解毒剤) |
PSP | 麻痺性貝毒 |
EM | 多形紅斑 |
DM | 皮膚筋炎 DermatoMyositis、糖尿病 Diabetes Mellitus |
PM | 多発性筋炎 PolyMyositis |
aPTT | 活性化部分トロンボプラスチン時間(内因系の凝固機能検査である) |
PT | プロトロンビン時間(外因系の凝固機能検査である) |
MCL | 内側側副靱帯 |
PCR | ポリメラーゼ連鎖反応 Polymerase Chain Reaction |
絶対禁忌な臨床の処置
診療で禁忌とされる処置行為について少しだけ認定試験で出題される可能性が有るので
簡単にまとめておきます。深く突っ込まずに、こんなのがあると知っておいて下さい。
疾患名 | 禁忌とされる処置の内容 |
---|---|
前立腺炎 | 急性期で前立腺マッサージをするのは禁忌 |
アイゼンメンゲル症候群 | 右→左シャント(逆シャント)が生じている短絡性先天性心疾患の終末像(最終的に至る病態のこと)でシャントの閉鎖手術をするのは禁忌 |
脳出血 | 脳圧の亢進がある場合に髄液検査をするのは禁忌 |
腐食性の酸又はアルカリ、酸又はアルカリの類似物質による中毒の状態 | 催吐をさせると損傷を拡大することになるので禁忌 |
頻出する分類とスコア
疾患の病期に係る分類がいくつか有り、認定試験で出題される可能性が有るので簡単に
まとめておきます。分類の中身には触れず、こんな分類があると知っておいて下さい。
名称 | 内容 |
---|---|
デュークス分類 | 大腸癌の進行度の分類 |
フォレスター分類 | 急性心筋梗塞が心不全を合併した場合の重症度の評価と治療方針の決定に用いる分類 |
ボールマン分類 | 進行胃癌の肉眼的な分類で、3型が最多で、4型はスキルス胃癌という |
ドゥベイキイ分類、スタンフォード分類 | 急性大動脈解離における心不全の重症度の評価に用いる分類 |
カークリン分類 | 欠損孔の位置による心室中隔欠損症VSD(左→右シャントが有る)の重症度の評価に用いる分類で、最多の症例はⅡ型の膜性部の欠損である |
NYHA(ニーハ)心機能分類 | 心不全の重症度の評価に用いる分類
|
キリップ分類 | 急性心筋梗塞に伴う心不全の重症度の評価に用いる分類 |
NAPスコア | 白血球の活性度を計る指標 |
