診療情報管理士の正社員と非常勤の平均年収額と将来的な展望
『これから診療情報管理士の資格を目指して勉強を始めようかなと思っているのですが
その職種って平均年収や待遇の条件は一般にどのくらいなのでしょうか?最初に目安を
知っておきたくて.. 』と読者の方達から質問を頂きました。医療事務の仕事と比較して
診療情報管理士は夢がある職業だと言えるのか?日本国内での事情を調べてみました。
診療情報管理士の平均年収はどのくらい?
診療情報管理士は外国でも認知度が高まってきてますが、国外の事情はほぼ需要が無い
のでこちらの記事では国内での収入の話題に限定します。一般に給与水準が最も高いと
される東京での正社員の事例をまず示します。諸手当がフルに揃っている案件の場合は
次のようになり、手当以外で私立は380~450万円、国公立で420~500万円程度です。
- 月給25~30万円(学歴と職歴等で変動する)
- 賞与年2回2~3ヶ月分(国公立の場合は約4.5ヶ月分)
- 通勤手当(交通費)(上限月5万円程度)
- 住居手当(上限月数万円程度)
- 家族手当(配偶者と子供に対して月数万円程度ずつ)
- 残業手当(本当に支給されているか?は職場による)
- 寒冷地手当(降雪がある地域で冬期間に月数万円程度)
- 社会保険(雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金)
- 昇給制度(毎年の昇給率や金額は非公表の場合が多い)
- 退職金制度(支給条件で勤続年数の下限に規定が有る)
- その他の福利厚生制度によるオプション(職場による)
但し、この例示は多めに見積もっている概算です。この通りに支給されていればかなり
ホワイトな職場環境であると言えます。地方都市では月給の金額が5万円程度下がると
お考え頂いて間違いはありません。仮に月給20万円で賞与4.5ヶ月分なら330万円です。
正社員は週5日で8~17時前後の勤務時間で、年間休日120日前後くらいが普遍的です。
診療情報管理士を目指す通教生の方達は大半が医療事務の仕事をされている社会人です
が、医療事務の職種と比べて月給3~5万円程度は高くなるのが相場です。平均年収額は
人によるし、所属の医療機関にもよるので一般化をしづらい指標ですが、大凡の目安に
して下さい。非常勤(契約社員・派遣社員・パート・アルバイト・委任・嘱託・請負・
業務委託等)の場合は東京都内だと時給1500円前後が平均です。地方都市は求人が減り
数百円程度安くなります。例えば時給1500円で週5日40時間稼働したとすると、月21日
で計算して25万円前後、年収にすると300万円前後になります。診療情報管理士の平均
年収額についての調査結果をまとめると医療事務の職種と比較して正社員のケースでは
最大で80万円前後の差が生じる可能性が有ります。診療情報管理士は診療情報のデータ
の管理と活用を全般的に担当する何でも屋さん的なポジションです。その職務の内容に
対して上記の待遇の条件をどう捉えるか?は各位の判断になります。平均年収額で注目
して頂きたいのは、一般的な医療事務の求人案件と比べて100万円以上の大幅なアップ
になる訳ではないという事実です。例えば医師や看護師等の医療従事者でも職種の内容
を考慮すると待遇の条件が悪い等と言われますが、読者の皆さんはどう思われますか?
【参考】ケーススタディ 相澤孝男さん(仮名)の場合
- 年齢:32歳
- 性別:男性
- 住所:東京都港区
- 住居:賃貸マンション(6階建ての最上階で築8年)(間取りは2LDK)
- 職場:東京都世田谷区の総合病院(許可病床数547)の診療録管理室
にて診療情報管理士として勤務(職歴は8年目) - 学歴:東京都内の指定校(4年制の私立大学)を卒業
- 職歴:大学卒業後に新卒で医師事務作業補助者を2年経験してから診療
情報管理士の資格を評価されて診療録管理室に配属された - 婚姻:既婚
- 家族:配偶者30歳、子供2人(長女7歳・長男4歳)
- 月給:28.7万円
- 賞与:年2回3.4ヶ月分(97.6万円)
- 通勤手当(交通費):定期代月1.6万円
- 住居手当:月4.2万円
- 家族手当:配偶者月0.9万円、18歳以下の子供1人当たり月1.3万円
- 残業手当:平均約30時間で月5.0万円程度
- 寒冷地手当:東京都23区内なので無し
- 資格手当:無し
- 資格取得支援:社内規定有り
- 社会保険:雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金に加入済み
- 毎年の昇給額:0.5万円程度
- 退職金:勤続5年以上で支給
- 労働組合:面倒なので非加入
- その他の福利厚生:病院指定の保養施設を年2回まで無料で使用できる
- 備考:子供の学費等を準備する為に配偶者もパートを始める予定である
4年制大学を出ていて勤続年数がそれなりにあるので月給の額が高めで合計の年収だと
28.7×15.4+(1.6+4.2+0.9+1.3+1.3+5.0)x12=613.6万円になります。福利厚生が
しっかりとした医療機関に勤めているとこんな感じになります。因みに相澤さんは今後
施設基準管理士と医療情報技師を取得して更なるキャリアアップを目指されています。
世の中の趨勢を勘案すると、これからは診療情報管理士の他にプラスアルファの資格を
新たに手に入れてキャリアパスを有利に描く傾向が強まっていくことと推察されます。
