診療情報管理士認定試験で統計が全く分からない人の対策方法
診療情報管理士の認定試験の受験勉強では医療統計の分野を苦手とする受験生の方達が
大勢いらっしゃいます。当サイトの独自の集計(世論調査)では捨てる問題の第1位に
ランキングされたくらいです。対策を講じる方法についての質問を本当に数多く頂いて
きました。そこで超初学者レベルの方達を対象として準備の仕方を説明しておきます。
認定試験の受験勉強で医療統計分野の対策方法
医療統計の設問は背景の知識が中学の数学の一次関数まで遡ります。それで数学が苦手
な方達にとっては本当に『捨てたい』と思えるくらいだと理解できます。でも認定試験
で毎回10題程度出題されます。しかも難しい推定や検定の計算問題は全く出されなくて
ほぼ用語の意味を問われるだけで、統計を毛嫌いして捨ててしまうのは勿体無いです。
統計の問題を見た時に『全く分からない』と感じる方達は、まずは設問に出てくる言葉
の意味を地道に調べて理解して下さい。最初は公式テキスト2を用いて、それで載って
なかったり、全然分からないと感じる場合はネットや統計の超初歩的な参考書で調べて
みて下さい。中学や高校で習った数学をさらっと思い出す感じで、構えないで下さい。
専門分野の6章と7章で出てくる統計の用語で最低限知っていないとまずいものを以下
で整理しておきますので、知らない語句は全て調べて、意味を理解して覚えて下さい。
- 変数
- 量的変数(量的データ)
- 質的変数(質的データ)
- 順序変数(順序データ、順序尺度)
- 名義変数(名義データ、名義尺度)
- 連続変数(連続データ)(【注意】年齢は整数変数ではなく連続変数)
- 整数変数(整数データ)
- 度数
- 度数分布表
- 相対度数
- 直線の式(一次関数)
- 直線の傾き
- 直線の切片
- 独立変数・説明変数
- 従属変数・目的変数・予測変数
- 平均値
- 中央値
- 最頻値
- 範囲
- 外れ値
- 四分位範囲
- 四分位点・四分位数
- 第1四分位数(25%点)
- 第2四分位数(50%点)
- 第3四分位数(75%点)
- 代表値
- 散布度
- 正規分布
- 非正規分布
- 標準正規分布
- 標準偏差
- 分散
- 変動係数
- 確率分布
- 全事象
- 相関
- 相関関係
- 因果関係
- 正の相関
- 負の相関
- 強い相関
- 中程度の相関
- 弱い相関
- 無相関
- 相関係数
- 散布図
- 絶対値
- 回帰直線
- 回帰分析
- 母集団
- 標本
- 無作為抽出
- 全数調査
- 標本調査
- 動態調査(動態統計)
- 静態調査(静態統計)
- 母数
- 母平均
- 母分散
- 母標準偏差
- 母割合
- 標本平均
- 標本分散
- 標本標準偏差
- 推定
- 点推定
- 区間推定
- 信頼係数
- 信頼区間
- 検定
- 仮説検定
- 群
- 有意差
- 有意差検定
- 有意水準
- 帰無仮説
- 対立仮説
- P値
- 採択・棄却・保留
- Student(スチューデント)のt検定
- Welch(ウェルチ)のt検定
- 対応のあるt検定
- Pearson(ピアソン)のカイ2乗検定
- Fisher(フィッシャー)の正確検定
- Kaplan-Meier(カプランマイヤー)法
- 棒グラフ
- 円グラフ
- 帯グラフ(百分率棒グラフ)
- 折れ線グラフ
- 欠損値
- クモの巣グラフ(レーダー図)
- ヒストグラム
- 箱ひげ図
- 記述統計量
- 検定統計量
医療統計の分野では推定や検定等の難しい計算問題は全く出題されず、もし計算問題が
出ても(相加)平均や中央値等を求める簡単な設問のみです。従って言葉の意味を理解
して覚えて上記の用語をしっかり区別できるようにさえしておけば統計の問題は容易に
全問正解できてしまいます。逆に他の語句は知る必要が無いので勉強しないで下さい。
因みに専門課程の6・7章の練習問題や、科目試験の統計関係の設問を抜き出してA4の
ファイルに閉じて繰り返し演習することはある程度効果が有ります。でも特に練習問題
は認定試験の設問より細かくて難易度が高い内容が含まれていて、認定試験の対策には
そんなに役に立たないです。寧ろ模試問題4回分だけしっかり慣れておけば充分です。
練習問題や科目試験の設問をワードのファイルにコピーしてネットプリントで印刷して
A4のファイルに入れる際にはゲージパンチが要るので速やかに用意しておいて下さい。


