診療情報管理士の認定試験の受験勉強で捨てる問題の3つの条件
診療情報管理士の認定試験の受験生の方からたまに『○△が難しくてどうしても分から
ないのですが、いっそのこと捨てちゃう作戦にするのはどうでしょうか?』とご相談を
頂くことがあります。認定試験の受験勉強をする上で、これは多くの方達が直面し得る
問題です(通教生と指定校生の別を問わず)。そこで判断の方法を解説しておきます。
認定試験で捨てる可能性を考えた問題は?
認定試験の受験勉強をしていて嫌になってしまって『もうこれ捨てちゃおうかな?』と
思ったら、以下の3つの条件に当てはまっているか?を考えてみて下さい。3個全てを
満たしている問題ならば捨てる判断をしても仕方がないです。但し、2個以下なら諦め
ないで下さい。精神的に追い詰められていて大変でしょうが、乗り超えてほしいです。
- 頭のキャパを超えていてどうしても理解できないこと
- 出題されたとしても1題以下で失点が最小で済むこと
- 残り時間で演習や暗記をしても絶対間に合わないこと
因みに第18回以前の認定試験で合格された読者の方達にアンケートを取って質問した
ところ『捨てたくなった』あるいは『捨ててしまった』問題は次のようになりました。
- 第3位 退院時要約(サマリー)問題
- 第2位 原死因が何か?判定する問題
- 第1位 数学が必要な医療統計の問題
回答をして下さった人数が多い順にランキングの形式で集計をしてみました。大体予想
通りの結果になりましたが、それらは本当に捨てるべき問題なのか?考察してみます。
第3位 退院時要約(サマリー)問題
退院時要約(サマリー)問題は知らない医療用語が沢山出てきて、更に長文で書かれて
いる場合が多く、慣れていないと敬遠したくなる気持ちは理解できます。でも知らない
語句がズラズラ並んでいても恐れる必要は全く無いです。退院時要約(サマリー)問題
はただの国語の読解問題で、長めの文章を読んで主傷病名や副傷病名と主医療行為に副
医療行為等を選ぶだけで解けるからです。診療行為の過程で用いられる、医師や看護師
等の方達のみが知ってそうな難しい医療の言葉を知らなくても全く問題無く解けます。
従って退院時要約(サマリー)問題は専門分野の最後に1題出るだけですが、最初から
捨ててしまって受験勉強をしないで臨み、勘で解答をしてくるのは勿体無さ過ぎです。
第2位 原死因が何か?判定する問題
原死因を判断する問題は慣れていないと確かに難しく感じ易いです。しかし一般原則や
選択ルール(ルール1~3)と修正ルール(ルールA~D)の内容をまず理解して下さい。
それから模試問題8題の他に専門課程の練習問題、科目試験の問題、公式テキスト2の
例題等を活用して30~50題くらい演習を繰り返せば乗り超えられます。但し、深入り
してはいけない部分が有って『修正ルール ルールC 連鎖する病態を優先して選択する』
だけは特に拘らないで下さい。これは疾患同士がどのように連鎖して関連しているか?
の臨床の知識を極めないといけないからです。医師や看護師の方達であっても、これを
完璧に知り尽くしている状態になるのは短期間では難しいです。そこで原死因の設問は
毎回2題しか出題されないので30~50題程度の演習を繰り返して、その中で登場する
疾病を覚えてしまって下さい。更に1問目はほぼ確実に一般原則による判定になるので
確実に正解できます。難しいのは2問目で選択ルールと修正ルールが同時に絡んでくる
ケースです。とは言っても、30~50題の演習をやり込んでいれば大抵は正答できます。
従って原死因を選択する問題も最初から捨ててしまって受験勉強を全くせずに臨むのは
勿体無いです。一般原則で2問とも選んでも結構な確率で獲れて、実はオイシイです。
第1位 数学が必要な医療統計の問題
医療統計は苦手意識を持っていらっしゃる方が多いと推察される分野です。しかし毎回
専門分野で10題近く出題されます。そして仮説を立てて難しい推定や検定の数値計算を
させるような設問は一切出ません。計算問題は精々平均値や中央値等を求めるくらいで
単純な四則演算で解けてしまいます。その他は用語の意味を問う設問が出るだけです。
つまり統計の問題は毛嫌いされがちであり最初に公式テキスト2の内容を見ると難解に
感じ易い面は確かに有りますが、10問近く有り、統計こそ捨てたら勿体無さ過ぎです。
最後になりますが、認定試験の受験勉強をしていて直前期になって、焦りながら捨てる
べきじゃないか?と悩む問題がもし有ったらいつでもお気軽にご相談をされて下さい。
