医療事務最難関の公的資格レセ認歯科58回での致命的な3つのミス
第58回の診療報酬請求事務能力認定試験(歯科)が2023年7月16日(日)にあり、合格
者の発表が2023年9月20日(水)にありました。公益財団法人日本医療保険事務協会様
の発表によると、レセ認(歯科)は全国で88人が申し込んで77人が受験して24人が合格
されて合格率は31.2%でした。受験をされた方達はどんな感想を抱かれたでしょうか?
第58回診療報酬請求事務能力認定試験(歯科)の結果で注目すべきは学科試験の合格
ラインが60点だったという事実です。通常なら80点程度になり、今回は平均点55.2点
で学科試験が相当に難しかったことが分かります。また医科では学科試験の平均点数が
合格ラインを超えているという珍しい現象も見受けられ、興味深い結果となりました。
前回の第57回は学科試験の合格基準点が80点でしたので今回は一気に20点も下がった
ことになり、急激な難化と言えます。逆に第59回ではけっこうな易化が予想されます。
レセ認(歯科)は医療事務系で最難関であり、唯一の公的資格です。合格発表があって
受験をされた皆様におかれましては悲喜交々の結果になられたことでしょう。こちらの
記事では当サイトの編集部に読者の方達から寄せられた受験体験記の中から、特に参考
になる点があり、これから受験を考えている方達にご覧頂きたい内容をご紹介します。
目次
受験勉強でヤラカシてた致命的な3つの失敗
当サイトの編集部には多数の合格体験記と不合格体験記が届きました。原文のまま紹介
することも検討していましたが、表現が分かりにくいケースが散見されました。従って
体験記の内容を編集して項目毎に整理して読者の皆様にはお伝えすることにしました。
掲載の許可を頂けたことを含めて、お寄せ下さった方達には感謝の意を申し上げます。
レセプトを書く練習をしていなかった
実技試験の受験勉強では過去問を手にれて、解説を見ながら問題の解き方に慣れていく
ことが大切です。最初はその作業をしていて間違ってはいないのですが、その後にレセ
プトを実際に書く練習を続けていかないと自分で書けるようにはなりません。また自身
で作成した診療点数の資料を見ながら診療報酬明細書を書く動作を繰り返さないと解く
スピードが上がりません。当サイトでは実技試験で一枚のレセプトを最終的に15分程で
書き上げられるようにトレーニングすることを推奨していて訓練を必ず継続して下さい。
因みに経験則的なことですが、例えばレセプトを30枚でも書いてみれば、かなり慣れて
速く完成させられるようになります。もう飽きたって思えるくらいまで反復して下さい。
20問を解き切る練習をしていなかった
学科試験では20問を60分程度で全て解き終わるようにしておかないと、見直しの時間が
取れなくなります。仮に60分とすると1問当たりは3分で解かないといけなくなります。
学科試験の選択肢は内容に慣れていないと、どれも非常に難しく感じられます。それが
全部で20×4=80個もあり、20題を全て解くのは誰にとっても大変な労力になります。
しかしその20問に対して8割、全体で16題は正解できてないと学科試験に合格できない
ことになってしまいます。従って日常の受験勉強で1問を3分で処理して20題を60分で
解き終えられるようにスピードを意識して演習を繰り返すことが重要です。どうしても
調べないと回答できない設問が含まれていて負担が大きいですが、負けないで下さい。
調べるスキルとスピードが不足してた
学科試験では毎回、初見の知識が出される可能性が普通にあります。それは試験会場に
持ち込んだ診療報酬点数表や参考書等を用いて調べて解決しないといけません。でも、
その際に選択肢の内容について調べるスキルが求められます。具体的には個々の選択肢
中のどのキーワードに注目してどうやって調べるか?を瞬時に思いつくように過去問の
演習をしながら慣れておかないといけません。勿論、調べようとしても、とっかかりと
するキーワードが思いつかなかったり、もしくはそれが全く含まれていない場合もあり
得ます。そんな場面では一旦、その選択肢について調べることをやめて、その問題中に
含まれてる他の選択肢を優先して検討して調べないといけません。『この選択肢はこの
キーワードを調べれば正誤の判断が必ずできる』と自信をもって思えるケースなら何も
問題は無いです。でもレセ認(歯科)の試験は最難関の資格で、調べ方が思いつかない
ような選択肢が普通に含まれてたりします。過去問題を用いて演習する過程で選択肢の
正誤を調べるスキルと個々の問題を解くスピードを意識して向上させていって下さい。
その他に知っておくと便利かもな情報
読者の方達からの体験記で最も多く書いてあって、他の方達にとっても有意義であると
感じられた内容は上記の3項目になります。あと他にもちらほらと書いてあった情報で、
今後受験する方達にとって知っておくと有益かもと思えたことをご紹介しておきます。
レセ認(歯科)の資格試験は年間で7月と12月にあり、夏と冬で暑かったり寒かったり
します。試験会場の教室ではエアコンが大抵あり、受験生の皆さんが快適に受験できる
ように試験監督や監督補助の方達が空調を調節して下さいます。でもその上で個人的に
暑いや寒いと感じられる可能性は誰しも普通にあります。だから膝かけはどちらの時期
でも必携とのご意見がありました。膝かけは特に禁止されてないアイテムですが、心配
ならテストの前にスタッフの方達に許可を頂いておくと安心できます。膝かけで下半身
を冷やさないようにすれば試験中にトイレに行かないで済むようになるかもです。勿論
お手洗いを我慢する必要は無いですが、時間のロスは誰にとっても痛いです。トイレに
行かないで3時間を乗り切れるようにしたいのは誰でも同じです。参考にされて下さい。
因みに、当サイトの編集部には司法試験や司法書士、社会保険労務士、公認会計士等の
難関の国家試験で試験監督の業務を長く歴任してきた猛者な人材がいます。その方曰く
『連続で3時間以上になる試験がある場合には途中でトイレ退室をすることは一般的に
誰しも同じ』とのことでした。極度の緊張やプレッシャー等を抱えながら受験している
訳ですので、いつもよりお手洗いに行く頻度が上がっても当然ということです。つまり
レセ認(歯科)は3時間ですが、ためらわずにトイレへ行っても大丈夫ということです。
第58回の診療報酬請求事務能力認定試験(歯科)の実技試験では『総合医療管理加算
(総医)』の算定項目が出題されました。これは実は過去問では出たことが無いです。
慌てて診療報酬点数表や参考書等で検索をしてみたけど載ってなくて解答できなかった
という声が多くありました。総合医療管理加算は比較的新しい算定項目で、『歯科疾患
管理料(歯管)に50点加算できる』という知識が仮に無かったとしても大した損害には
なりません。また調べて解決できなかったとしてもその算定項目だけなら、たかが数点
の失点で済みます。但し、ここで受験生として受験勉強をしていく上で肝要になるのは
レセ認(歯科)は時事的なネタも普通に出るので、そのつもりで準備をしていかないと
いけないと分かっておくことです。知らない算定項目が沢山あるようでは勉強不足です
が、1つや2つ出てきたとしても大きな問題ではないです。覚悟を決めておいて下さい。
【追記】
『総合医療管理加算(総医)』は実はレセプト中に最初から設置されてる項目でした。
従って、診療報酬明細書の内容を記録した独自の資料には載っていることになります。
16回分の過去問題では出題されたことが無かったですが、受験勉強の過程で作成した
資料にはきちんと書かれてる算定項目であり、記事の編集上の不注意をお詫びします。
余談ですが、2022年10月に新設された算定項目の『医療情報・システム基盤整備体制
充実加算(初診料)』が実技試験の3問ともに初登場しました。設問の最初に『初診(
マイナンバーカードを保険証として利用し、診療情報の取得に同意した患者)医シB』
と書かれています。これはレセプトの最後の摘要欄に『医シB 2』と記載すべきです。
受験勉強では直前期になると、どうしても追い込みで欲張って色んな問題を解いて知識
と演習の経験を増やしたくなります。でも資格試験の前日には最低でも6時間は睡眠を
とっておくようにされて下さい。食事の管理も大切ですが、レセ認(歯科)のテストは
ノンストップで3時間あり体力的に誰にとっても確実にしんどいです。頭を休めて身体
の疲れをとっておくことも重要です。その上で途中で息切れをしたり、眠気が生じたり
しないように食事の内容に充分に注意して万全の状態で本番に臨むようにして下さい。
それからレセ認(歯科)のテストでは実技試験で8割得点するよりも学科試験で8割取る
方が一般に難しいです。つまり時間配分を含めて早く正確に設問を解く練習を徹底的に
しておかないといけないのは実は学科試験の方です。例えば五肢択一の問題の解き方に
ある程度慣れていても、調べるスキルと解くスピードを上げておかないと簡単に失敗を
してしまいます。診療報酬請求事務能力認定試験の歯科は何度も受験している社会人が
大勢いらっしゃいますが、次のテストで必ず合格できるように最善を尽くして下さい。
当サイトのコンテンツをご覧になって、真摯に努力を最後まで貫かれた全ての受験生の
方達が見事、合格というサクラを咲かせられるようにと編集部一同で祈っております。