診療情報管理士の認定試験に出る病院統計資料の計算式まとめ
診療情報管理士の認定試験の専門分野で毎回1題出題される『医療評価指標である病院
統計資料』の計算式をまとめておきます。病院統計は専門課程の練習問題等で計算問題
が出されていましたが、認定試験は用語の意味を問う設問のみが出題されます。従って
計算式を書けて計算ができる知識ではなくて計算式を選べる知識だけが求められます。
診療情報管理士の認定試験での病院統計資料の計算式
似たような意味の医療統計の語句がいくつか登場する為に病院統計資料の計算式の設問
は全体的にややこしく苦手意識がある方も多いでしょうが、難しく捉えないで下さい。
下記の表中の指標について『自力で書けて計算までできる知識』ではなくて『対応する
計算式を選べる知識』を身につけて下さい。実際に計算をさせる問題は出されません。
指標名 | 計算式 | 備考 |
---|---|---|
平均在院患者数 | 当該期間の入院患者延べ数(在院患者延べ数)/ 当該期間の日数 | 在院患者は毎日24時現在に在院中の患者で、入院患者数は24時現在の在院患者数を期間毎に累積した数値である |
平均在院日数 | 患者調査では退院患者在院延べ日数 / 退院患者数
病院報告では在院患者延べ数 /{ 1 / 2 x(新入院患者数 + 退院患者数)} |
平均在院日数の数値は2式で一致しない |
平均外来患者数 | 外来患者延べ数 / 外来診療延べ日数 | |
取扱患者数 | 24時現在の在院患者数 + その日の退院患者数 | レセプト(診療報酬明細書)の入院診療日数は取扱患者数で計算する |
外来 / 入院比(患者数) | 1日平均外来患者数 / 1日平均入院患者数 | |
病床回転率 | 365 or 366 / 平均在院日数 = 年間退院患者数 / 病床数 |
計算式が2つ在るのは平均在院日数と病床回転率のみである
|
病床稼働率 | 年間の病床稼働率は(入院した年間患者数 + 退院した年間患者数)/(病床数 × 365 or 366)x 100(%) 1日の病床稼働率は(24時現在の在院患者数 + 1日の退院患者数)/ 病床数 x 100(%) |
病床稼働率は24時現在の在院患者数に当日の退院患者数を加え、同日に入退院がある病床を2名として計算するので数値が100%を超える場合があり、病床稼働率の数値が高い程、患者の退院により空きベッドが生じた場合に他の患者の迅速な受け入れができていることになる |
病床利用率 | 年間の病床利用率は24時現在の年間在院患者延べ数 /(病床数 x 365 or 366)x 100(%)
1日の病床利用率は24時現在の在院患者数 / 病床数 x 100(%) |
病床利用率は24時現在の在院患者数のみを用い、数値が100%に近い程、空きベッドが無い状況で利用されていることになる |
平均病床利用率 | 在院患者延べ数 / 病床延べ数 x 100(%) | |
受療率(人口10万対) | 推計患者数 / 推計人口数 x 100000 | |
粗死亡率 | 死亡患者数 / 退院患者総数 x 100(%) | |
精死亡率 | 入院してから48時間以後の死亡患者数 / 退院患者総数 x 100(%) | |
術後死亡率 | 術後死亡患者数 / 手術患者数 x 100(%) | 術後死亡患者数は術後いつ(48時間、10日、30日等)までの死亡を術後死亡とするか?を明確に規定しておくべきである |
剖検率 | 剖検患者数 / 死亡患者数 x 100(%) | 剖検は死後の病理解剖のことで剖検患者数に死産の患者は含まない
剖検率は医学教育・研究の評価や、病院の医療に対する患者の家族の満足度や信頼度を示す指標である(患者が受診した医療に対して不満や不信感が有れば遺族から同意を得られにくい為) |
対診率 | 対診患者数 / 退院患者数 x 100(%) | 複数の診療科を標榜する医療機関の場合、対診率の高さは病院全体で患者を包括的に診て診療する姿勢の現れとして評価され、医療の質を視る指標になる |
再入院率 | (予定しない)再入院患者数 / 退院患者数 x 100(%) | |
紹介率 | 文書により紹介された患者延べ数 / 初診患者延べ数 x 100(%) | 文書は診療情報提供書(紹介状)のことで、文書を添えて患者の紹介をすると診療情報提供料を算定でき、高度な技術水準の医療が終了したら迅速に逆紹介により紹介元や、患者にとって便利な近隣の医療機関にその後の診療を依頼すべきである
① 診療情報提供書(紹介状)を持参しない初診患者数を減らすべきで、外来診療は地域の開業医(かかりつけ医)が担当し、病院は入院患者への対応を主体にする機能分化を進めるべきである ② 診療情報提供書(紹介状)による紹介患者数を増やすべきで、地域医療連携室等が病診連携や病病連携を強化して努力すべきである |
悪性腫瘍の5年生存率 | 診断の5年後に生存している患者数 / 診断を下された患者数 x 100(%) | がん登録のデータと、生存確認の為の予後調査のデータを活用して計算する 但し、生存者には再発や治療中の患者が含まれていることや、予後調査では直接的な死因について5年前の当該悪性腫瘍で亡くなったのかどうか?の確認が難しい面が有ることに注意すべきである |
1月当たりの(データ / 病床)比 | 1月当たりの退院患者数 / 病床数 | DPC(診断群分類包括評価)対象病院では『1月当たりの(データ / 病床)比 ≧ 0.875』となることが施設基準の1つである |
DICの請求率 | DIC(播種性血管内凝固症候群 3章D65)の症例数 / 総退院患者数 x 100(%) |
医療評価指標である病院統計資料の計算式の設問について、専門分野の練習問題等では
実際に計算をさせる設問が含まれますが、認定試験では無いので計算練習は不要です。
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